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御主人様の新しい車の話

御主人様から「車を買い替える」という話がありました。

詳しくは分かりませんが、いま奥さんが乗ってる方を廃車にして、
御主人様が乗ってる方を奥さんにあげる。
御主人様が新しい車を買う。

そんな話っぽいです。

今までも車を買い替えたいなって話は何回も聞いていて、
一緒に車を見に行ったこともありました。
ネットで良さげな車のURLを送ってきたこともありました。
いつでもこんなのがいいなって共有してきました。
でもそれは本気で買うことを考えてるわけではなくて、
ただこんな車が買いたいよなっていう例え話。

今回の話は今までの話とは違って本当です。

その話を聞いた私が落ち込んだ理由を、
御主人様は何も説明せずともわかってくれました。

1つは私には関われない家族内の話だから。
1つは御主人様の車は私も運転したことのある思い出の車だから。

御主人様が御主人様に関することを何でも話ししてくれることは、
本当に嬉しいです。
私も御主人様に関することを何でも知りたいと思います。

でも、車に関する話は私とはできないから。
当然お金に関することですので、本当に買うとなれば、
奥さんと話し合って決めることだから。

私は話を聞くことはあっても関わることはない。
一緒に見に行くこともない。
そこに居るべきは私じゃない。

だからその話を聞いた時に落ち込んでしまったのでした。
一言も発さずとも、その理由を分かってくれる御主人様。

ほんとはね、一緒になってから一緒に選びたかったの。
一緒に選びに行きたかった。
車についてもっともっと話がしたかった。



そしてその話の数日後。

「車買ったぞ」って。

なんでも話をしてくれる御主人様なのに、
買ってから数日経ってから私に言うなんて。

そんなに私は蚊帳の外なの?
私はポロポロと涙を流していました。

「一緒になってから2人で一緒に選びたかったです」って。

「お前なら俺の選ぶものに反対しないと思ったからさ」

「もちろん反対はしませんよ」
「ただ、関わりたかったです」

「お前は何でも一緒がいいんだよな?」

「だって買ったことすら話してくれなかったなんて」

「廃車にする車の車検切れが迫ってたからな」
「たまたま仕事帰りに見つけてな」
「俺もバタバタと決めたんだよ」
「絶対お前も気にいるから」
「2人でたくさんお出かけするぞ!」
「お前も運転するんだからな」
「俺の今の車を嫁にあげるから、俺が借金することになったけどな」

御主人様らしいと思いました。
車はローンを組んだら何年も支払い続けることになります。
将来、離婚をきちんと視野に入れて、奥さんが少しでも金銭的に困らないように。
きっとそう思って車の購入費は自分で負担することにしたんだと。

車が届く日が近くなり、私はこう聞いてみました。

「私を1番に乗せてほしいです」

それを聞いた御主人様は無言。

「お前を1番に乗せてやる」とも「奥さんが1番に乗る」とも言わず。

無言ってことはそういうことですね。
結局私はそんな立ち位置にしかなれない。

「奥さんが座った後に座るのはイヤです!」

それを聞いても御主人様は無言。

「1番に乗せてやるって言ってくれないんですね」

「1番に乗せてやるから」

無理やり言わせたような形になってしまって、
望んでることと違う答えになってしまいました。
御主人様がそう望んでいないのならば、1番の意味がないです。
無理やり言ってもらっても嬉しくない。

御主人様が私を1番に乗せたいって思っていて、
私も一番に乗りたいって思っていて、
その両方が揃っていないと、1番に乗る意味がない。

新しい車が届く日、奥さんと乗って帰るの?
仮にそうでないとしても、奥さんを1番に助手席に乗せる予定なの?

ねぇ、御主人様。
奥さんが1番に乗るなら、そうハッキリ言ってもらった方がいいです。
御主人様の新しい車、早く乗せてもらいたいと思うけれど、
奥さんがここに先に座ったのかな?ってモヤモヤしながらはイヤ。
優しいウソはいらない。

私はね、御主人様の1番になりたいの。
1番じゃなきゃ意味がないの。
奥さんも私も両方大事なら、私の存在意義はない。
それならさっさと私は消えたほうがいい。

2番目で満足するくらいの薄っぺらい愛情のはずがないでしょ?
そんなの御主人様が1番分かってるはず。
私が御主人様のことを好きすぎて好きすぎて苦しんでることを。
私が順番なんてどうでもいいですよなんて言うはずがないことを。

私だけを見て。
私だけに触れて。
私だけを愛して。

人が聞いたら笑われるかもしれない。
たかが助手席に座る順番でしょ?って。
別に誰が1番に座ろうがどうでもよくない?って。

そんなアホなことも、私にとってはとっても大事なの。
本当はどうでもいいことかもしれない。
けど、自分が座るのは1番じゃないかもって思うだけで涙が溢れてくる。

人を愛すると、こんなどうでもいいことで苦しくなるんだから、
人を愛するって恐ろしいね。
私の心をどこまでも貪欲にしてしまう。

御主人様のすべてが欲しい。
一日でも早く私だけのものになって。
私の心が壊れちゃう前に。

好きすぎて好きすぎて、心がおかしくなっちゃう。
愛してるなんて言葉では表現できない。


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Author:生涯奴隷
御主人様の専属生涯奴隷になることが私の生きる道。私が唯一輝ける場所。それは御主人様の足元。

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